'07 11/21 20:24
- お客様をお送りするために唐沢から下ってゆきました。
紅葉は終わり、落葉した林はすっかりすっきりしてしまいました。
青葉が茂る頃は遮られていた、遠くまでの風景が良く見えるようになっていました。
カラマツの茶色の落ち葉が絨毯を敷き詰めたように、一面に林道に積もっています。
陽射しが林を通して、太く、細くと、まるでバーコードの様に葉の落ちた林の影を林道に写し続けています。
直線の林道に差し掛かった時、目の前に三頭のニホンジカが足を踏ん張ってこちらを振り返りながら、林道の真ん中に立っていました。
近づくとすごい勢いで左の林に飛び込みました。
同乗のお客様方は中年の男性ばかりの方々でした。
「鹿!鹿!!」と喜んでくださいます。
左の林の中を走っていたニホンジカたちは、突然車の前に飛び出たと思うと、今度は右側の林に飛び込みました。
茶色の身体にお尻の部分だけ白いハート型。
車に平行して走ります。跳躍します。
その跳躍のすごい事、本当にピョ~ン、ピョ~ンと飛び上がりながら全力疾走をして行きます。
落葉したカラマツの林の中を、笹の茂った原の中を飛び続けます。
私も遂、鹿に負けない様にスピードを上げてしまいました。
お歳を忘れたかの様に、同乗のお客様の喜ぶこと。
暫く、鹿と伴走しましたが、やがて鹿達は向きを変え、遠い林の奥に走り消えてゆきました。
お客様方は「まるで野生の動物園の中に居る様だった。」と感激してくださいました。
あんなに走って、鹿達も疲れたことでしょう。
でも、ほんの一瞬の出来事でした。