'08 1/4 22:33
- 明けましておめでとうございます。
唐沢鉱泉、今年もよろしくお引き立てください。
雪にすっぽりと包まれて、今年の新しい年が始まりました。
【信玄の隠し湯】と言い伝えられ、昔からの湯治の湯として地元の方々が権利を得ては譲りながら、代々奥山で営業を続けてきた唐沢鉱泉。歴史のある古い鉱泉宿でした。
父、両角重義が戦後の昭和28年から権利を得た後、永年準備期間として閉業しながらも、守り続けてくれた唐沢鉱泉でした。
昭和45年4月に重義の次男、両角重幸が結婚と同時に入山し、再開業いたしました。
電気も電話も、道路も、一人のお客様もない状態からの出発でした。
乗用車もタクシーも入れず、まずは道路造りからの始まりでした。
まだ今の様な重機の無い頃でしたので、コツコツ、コツコツと、手作りでの道路整備をして来ました。
三井の森の別荘地もまだ開発されておらず、今の4キロ弱の未舗装道路の約3倍ほどの道のりがありました。
主人は実に頑張ってくれた人です。
【道が良くなれば人が訪ねてきてくれる。
道が良くならなければ、商売として成り立たない…。】
主人の一念で、年々道路は整備され、タクシーも登ってくれるようになりました。
乗用車も何とか、登ってこられるようになって来ました。
車の腹を擦る石をだんだんに取り除き、側溝を整備し、横断溝を整備し、水捌けを作りました。
タイヤの埋まってしまう柔らかな箇所には石を詰めました。
パイスケ(作業用の竹のかご)などで私たちも土や石を運びました。
だんだんに重機も使用するようになって、道は段々に整備されて来ました。
お客様もだんだんに訪れてくださるようになりました。
永年のご常連のお客様が大勢いてくださいますことが心よりありがたく、何よりの励みになります。
初めてお越しくださる方は、今は滅多に無い未舗装の道にびっくりなさいますが、昔からのお客様は「本当に良くなった。」と、褒めてくださいます。
だんだんに改築、新築を繰り返し、電話も入り、電気も入り、水洗トイレまで出来ました。
標高1870mの山奥ですので、立派とは言えませんが、開業の頃に比べると随分変わりました。
全て、主人の努力の賜物です。
3人の男の子にも恵まれ、現在、長男夫婦、次男夫婦共にこの唐沢鉱泉で頑張ってくれています。
こうして、今年で開業後、38年目の新年を迎えました。
頑張ってくれた主人は、平成13年の夏、急逝しました。
今日が月命日に当たります。逝って、6年と5ヶ月が過ぎました。
父から引継ぎ、亡き主人の創り上げた唐沢鉱泉。そしてこの道路です。
私たちは主人の思いを繋げて、また今年も一生懸命頑張ります。
皆々様のお引き立て、今年もよろしくお願い申し上げます。